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執筆者の写真mooty

カティンの森

映画「カティンの森」を拝見した。第二次世界大戦下の連合国側ロシアのポーランド人捕虜の虐殺をテーマにした作品だ。虐殺(ジェノサイド)と聞くと共産主義の指導者達の大虐殺を僕は思い出してしまうがこれは訳が違う。戦時中の捕虜の虐殺だ。現在ロシアとウクライナが戦火にある中深く考えさせられる映画であった。

印象に残った場面を書き残しておこう。戦争終結後。ポーランド国家の体制が転向し適応する者と出来ない人に別れていた。物語は姉妹を描き適応する姉と適応出来ない妹を写すそして妹は政府に殺されてしまうのだが、最後連れ出される時階段を降りる場面でふと何気なく彼女が、上を向くシーンがある。僕はこのシーンが脳裏に残った、僕の感想を言うとたぶん階段を降りる時彼女は死を覚悟したそして天を仰いだその時きっと「昨日何食べたかな」「風呂掃除は明日の予定だ」とかあまりに日常生活の事を考えたに違いないと僕は知覚した。万葉集の挽歌にも死を偲ぶ和歌があるがそれは突然訪れる死もあまりに日常生活の一部としてしかその身には起こらないのではないかという内容であった。僕は自分の生の最後に神を祈るでなく連続した日常の1日を考える事になるのかと思った。

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